四十肩・五十肩とよく似た症状とは?
2018-07-09
こんにちは、レリーフ整骨院の佐々木です。
前回は上腕二頭筋長頭腱炎のお話をさせていただきました。
40歳~50歳の方で肩の痛みがある場合、すぐに四十肩・五十肩と思ってしまいがちです。
しかし、実は四十肩・五十肩と症状が似ている疾患、上腕二頭筋長頭腱炎・腱板断裂・石灰性腱炎という場合も多いです。
今回は、腱板断裂・石灰性腱炎について解説していきます。
肩に激しい痛みが生じることから、四十肩・五十肩と間違えられることもある腱板断裂・石灰性腱炎。しかし治療法は四十肩・五十肩と異なります。
腱板断裂と四十肩・五十肩はどちらも腕を上下させる際に痛みが出て、痛みのために睡眠を妨げられる場合が多いです。
相違点は、腱板断裂の場合は、腕を上げる際、肩と水平に腕を上げるまでは痛み続けますが、それ以上高く上げると腕や肩はそれほど痛みが出ない場合が多いです。
腱板とは肩甲骨と腕の骨の間にあり、双方をつないでいます。
その腱板が何かしらの衝撃により切れてしまうのが腱板断裂です。
肩の痛みで病院に行った場合、レントンゲン撮影を行い、骨に異常が確認されなければそのまま異常なしとされ、筋肉までは調べられないことが多いです。そのため、腱板断裂は見逃されてしまうことが多いようです。
自分で腕を上げることはできなくても人に腕を上げてもらうと腕が上がる場合は、四十肩・五十肩ではなく腱板断裂と考えられます。四十肩・五十肩の場合、腕を上げようとすると固まってしまい、上がらないことがほとんどです。
外傷を負うような原因がなくても、腱板断裂を起こす場合もあります。
切れてしまった腱板は自然治癒することは少なく、そのままにしておくと、肩を動かすのが困難になることもあります。
腱板は年をとるごとに柔軟性を失ってしまい、若いときよりも切れやすくなります。また直接的な原因としては、重い荷物を持ったとき、転んだり事故にあったりして肩を強打したとき、スポーツや仕事などで肩を酷使したことがきっかけで切れてしまうことが多いようです。高齢の方の場合、日常生活の中で切れてしまうこともあります。
治療方法は、部分的な断裂で軽度の場合は、負担がかからないような肢位で固定し、無理がかからない程度に腱板筋力訓練を行います。この訓練は柔軟性を高め、腱が切れてしまうことを防ぐためのものです。
手術が必要となるのは、腱がすべて完全に切れてしまった場合です。手術では切れた腱を骨に縫い付けます。負担の少ない内視鏡で手術も可能です。
石灰性腱炎は夜間突然、急激に肩の痛みを感じることから始まるケースが多いです。肩の痛みという点では同じですが、四十肩・五十肩の慢性的な痛みとは異なります。 特に40歳~50歳までの女性に多いです。
四十肩・五十肩と思い間違った治療に通い続ける方が多いようです。
石灰性腱炎も40歳〜50歳にかけて発症しやすいため、肩の痛みだから四十肩・五十肩だと勘違いしやすいのも特徴です。
石灰性腱炎は、肩の腱板内に石灰の結晶ができる疾患です。できたばかりの石炭は液体なのですが、段々と固まって練り状になった後、石のように固くなってしまいます。さらに時間が経って大きくなっていくことで、腱板を破って滑液包内へと出ていき、肩に強烈な激痛を与えます。
石灰性腱炎は腱板内に石炭が溜まってしまうことによって起こる疾患ですが、なぜ石炭が溜まってしまうのかは、はっきりした原因は未だにわかっていません。
女性に多いことから可能性の1つとしては体質的なもの、それから運動のしすぎという可能性も考えられるそうです。
急性型以外の亜急性型、慢性型では、石灰が硬くなってしまいそのまま残ることで、時々痛みが再発してしまうことも。その痛みで運動が困難になってしまう場合には手術を行うこともあるようです。
腱板断裂・石灰性腱炎は四十肩・五十肩だと勘違いしていると、正しい治療を受けられず痛みが長く続いてしまうことがあります。現在肩の痛みがあって、症状が長い間続いている方は、ご相談をお待ちしております。