腰痛
こんにちは。
突然ですが、今回は腰痛について少しお話をします。
人間の背骨は、上の方から頚椎・胸椎・腰椎といった椎骨が上下につながって、さらに仙椎・尾骨につながっています。
そして椎骨は円柱形の椎体とアーチ状に伸びた椎弓からできていて、椎体の後面と椎弓の前面に囲まれた空間が脊柱管で、その間の中には神経が通っています。
また、椎体と椎体の間には椎間板というクッションの役目を果たしていますし、椎弓と椎弓は椎間関節という関節でつながっているのです。
背骨とその周辺の筋肉などが原因で腰痛が起こりますが、主に腰の部分にある5個の腰椎に異常が起きたことで発生します。
しかし、単純に腰椎と言えるわけではなくて、障害部位の違いによって特徴も違ってくるのです。
椎間板に異常があるとおじぎをして姿勢をもどす時の動作で痛みを感じますし、椎間関節に異常があると腰を後ろに反ったり捻ったりする動作で痛みを感じます。
また、筋肉に異常があると前屈みをするとはや腰の筋肉に力を入れた時に痛みを感じて、暖めたりさすったりすると痛みが和らぐのです。
それから神経に異常があると腰の痛みだけではなくて、脚の膝から下がしびれたり力が入りにくくなったりする症状を伴いますし、骨に異常があると体動時に強い痛がみられるのです。
痛みを起こす要因としては、侵害受容性疼痛・神経障害性疼痛・心因性疼痛の3つがって、腰痛も腰椎や周辺の筋肉・筋膜・靱帯・内臓などに異常がある侵害受容性があります。
また、心理的・社会的なストレスが原因で神経が障害を受けて正常に機能しなくなった時に起こる神経障害性もあります。
それから小さい痛みを強く感じたり、痛みの原因が治っても痛みだけが残ってしまったりする心理的影響で痛みを感じる心因性のものも存在するのです。
このように、単純に腰が痛いというだけでは表現ができないように、障害部位の違いによる痛みの特徴や痛みを抑えるメカニズムの違いがあるのです。
その為、原因がはっきりしない腰の痛みを指す非特異的というのが、腰の痛み全体の約85%を占めていると考えられます。
ただ、原因がはっきりしないといっても全く原因が不明やないというわけではなくて、レントゲンやMRIで検査しても原因を特定できないというだけです。
先に触れたような原因から発生していても、検査で診断できないと原因不明として片づけられて、非特異的な腰の痛みと診断されてしまうのです。
しかし、現実的に痛みという症状があるので、治療法としては消炎鎮痛薬の内服や湿布・塗り薬といった外用薬を使用して痛みを抑えます。
また、それと共に安静を保つことも必要ですが、できる限り日常生活の活動性を維持することが治療としては必要です。
心理的・社会的ストレスが要因になって引き起こされているような場合には、抗うつ薬や抗不安薬が使用されることもあります。
場合によっては、心療内科によるカウンセリングを受けたり、理学療法士や心理療法士による連携的治療としての認知行動療法を受けたりすることもあるのです。
決して腰痛を安易に考えるのではなくて、早い段階で治療する必要があると認識しておくことも必要です。